ナヒチェバン経済拡大10年計画
ナヒチェバンとは、大国トルコやイランと国境を接する、アゼルバイジャンの重要な飛び地です。首都バクーからは650km、直行便で1時間。建国の父ヘイダル・アリエフ前大統領の出生地でもあり、優秀なリーダーや研究者等を多く輩出します。
ナヒチェバンは歴史的に、ササン朝ペルシア、東ローマ帝国、アッバース朝イスラム帝国、セルジューク朝、モンゴル帝国・・・など、複数の宗教・民族の支配下にあった経験を持つので、非常に多様性溢れる世俗的でフレンドリーな、それでいて誇り高き知能と文化を持つ民族性が形成されてきました。
近年このナヒチェバンでは経済拡大10年計画がかかげられました。隣国トルコとイランとの接続を強化し経済関係を拡大させ、天然資源豊かな首都バクーとは異なる立ち位置と独自の自治で、経済発展させていくというものです。ここに日本の地方都市にとってものすごく大きなヒントがあります。
1995年から2014年の間に、ナヒチェバンの製造業は45.4倍に、農業は4.5倍に、建設業は14.2倍に、運輸・物流業は3.3倍に、IT産業は9.7倍に成長。そしてナヒチェバン単一でのGDP規模は37億マナト(約5200億円)にまで拡大させ、9年間で48倍の経済規模になりました。この経済拡大計画は現在も継続中です。
2014年のアゼルバイジャン全体(人口950万人)のGDPは約600億マナト(8兆5000億円:新潟県とほぼ同程度)でした。そのうち6%の37億マナトをナヒチェバン(全人口の3%、36万人)が構成しているということになります。
そんな「日本人の知らないナヒチェバン」を、ナヒチェバン出身のヴガール・アガエフさんと先日生放送で解説しました。